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Tom MooreとHoward Muddが正式に引退
年金問題で引退の噂が出ていたOC Tom MooreとOLコーチHoward Muddが正式に引退届けを出しました。Bill Polianから、OCはClyde Crystensen, OLコーチはPete Metzelaarsが後を継ぐことも発表されています。

年金問題についてはいまだによくわからないことが多いんですが、内部留保が金融危機で目減りした結果、年金機構がほぼ強制的にバイアウトオプションを執行する(前回書いた一括支給をなくする)という話になっているようです。年金機構は基本的にリーグから独立しているためか、あまりチームレベルではコントロールが効かないようです。また、基本的にリーグ・チームが年金に金を出すのを躊躇しているという状況もあり、今回のINDの2名以外にも、NFL全体で他の高齢コーチがこれから多数引退するんじゃないかとも言われています。

MooreとMuddは98年のPolian就任・兄者指名と併せてINDのコーチに就任しました。その前からRBコーチを務めているGene Hueyを含めて評価が高かったコーチで、Dungy就任時にも留任して11年間に渡ってINDオフェンスを作ってきました。INDオフェンスはその11年間のうち8シーズンはリーグ5位以内という成績を残しています。兄者筆頭にスキルポジションのタレントが充実していたのも確かですが、Mooreはそのタレントを活かしたプレイを作りこみ、Muddはドラフト中位・下位で指名したOLを鍛え上げて概ね安定したOLを作ってきました。力勝負に弱い面はあったものの、安定して強いオフェンスを作り上げてくれました。

OC後任のClyde Crystensenは2002年以降はINDでWRコーチを務めていますが、Reggie Wayneが着実に成長していったことへの貢献度は高いのではないかと思います。元々はTony Dungyがタンパから連れて来た人材で、タンパ時代は2001年シーズンに1年だけOCを務めています。その時はオフェンス26位で、スタッツから見るとMike AlstottのパワーランとKeyshawn Johnsonへのショートパスを中心としたボールコントロールオフェンスを指向してたように見えます。ただこれは当時のタンパディフェンスを考えての戦略という可能性が高いですし、実際のところどんなオフェンス哲学をもっているかはよくわかりません。まあ、さすがにこれからプレイブックを大きく置き換えることはないでしょうし、基本的にはワンバック・3WRor2TEを継続するでしょう。

OLコーチ後任のPete Metzelaarsは2002年まで高校でOC、2003年にはNFLEのBarcelona Dragonsで攻撃アシスタント、そして2004年からINDでオフェンスクオリティコーチを務めています。元々NFLで16年間プレイしたTEで、BUFの4連覇時代のメンバーでもあるので、Bill Polianの人脈で採用したコーチと思います。昨年はMuddのアシスタントしてOLアシスタントコーチ兼務になりました。この時点でMudd引退の際には後継者となる路線だったかと思います。
プレイヤーとしてはTEで、OLコーチとしては一年アシスタントで修行したという段階です。昨シーズンはOLを建て直しきれなかったところがありますし、OLコーチとして成功経験と言えるほどのものはありません。昨年だけでどれくらい吸収できたかはわかりません。昨年OLアシスタントに据えたということはクオリティコーチ時代からMuddのやり方をしっかり勉強していたから、ということならいいのですが。

基本的にこれまでの路線は継続すると思いますが、オフェンスのメインスタッフが代わった影響は徐々に出てくるでしょう。それをいい方に変えてしまうくらいの活躍を期待します。

Tom MooreとHoward Muddは長いことお疲れ様でした。
by captain_harbaugh | 2009-05-17 01:08 | Colts News
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